シェーグレン症候群に合併した肺軽鎖沈着症の1例
柴田 洋a 草ヶ谷英樹a 土屋 一夫a 大山 吉幸b 山田 孝a 江河 勇樹c
a静岡市立静岡病院呼吸器内科
b浜松医科大学呼吸器内科
c静岡市立静岡病院病理診断科
症例は63歳,女性.20XX年から両側肺野の結節影を指摘され,4年間で増大を認めたため当科を紹介受診した.胸部単純CTでは小結節影と壁の厚さや大きさがさまざまな嚢胞が多発して認められた.胸腔鏡下肺部分切除術を行い,軽鎖沈着症と診断した.肺以外の他臓器に軽鎖沈着病変はなく,アミロイドーシスや多発骨髄腫などを認めなかった.また抗SS-A抗体,抗SS-B抗体陽性で,口唇小唾液腺生検の結果シェーグレン症候群の診断基準に合致したため,シェーグレン症候群に合併した肺軽鎖沈着症と診断した.非常にまれであり画像上も興味深く,貴重な症例と考えられたため報告する.
Received 7 Jan 2016 / Accepted 15 Apr 2016
連絡先:柴田 洋
〒420-8630 静岡県静岡市葵区追手町10-93
静岡市立静岡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(5): 245-249, 2016