化膿性レンサ球菌肺炎の6例
―レンサ球菌毒素性ショック症候群の1例を中心に―
石黒 卓a 鍵山 奈保a 本多 麻夫b 倉島 一喜a 高柳 昇a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b埼玉県衛生研究所
埼玉県立循環器・呼吸器病センターでは,2002年からの14年間に6例の化膿性レンサ球菌肺炎を経験した.65歳以上2例,男女差はなく,基礎疾患に関節リウマチ2例,特発性肺線維症1例を認めた.6例中1例はインフルエンザの二次性細菌性肺炎,重症は2例であった.レンサ球菌毒素性ショック症候群を合併した1例が死亡した.肺炎全体における化膿性レンサ球菌感染の頻度は低いが,急速な経過をたどることがあるため呼吸器科医はその重要性を認識するべきである.
レンサ球菌毒素性ショック症候群 化膿性レンサ球菌 肺炎 菌血症
Received 31 Mar 2016 / Accepted 14 Jun 2016
連絡先:石黒 卓
〒360-0105 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 5(5): 240-244, 2016