重症超硬合金肺の加療による免疫不全に発症した播種性非結核性抗酸菌症の1例
須加原一昭 岡本真一郎 廣佐古 進 一安 秀範 藤井 一彦 興梠 博次
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
症例は44歳,男性.20歳時に超硬合金肺を発症,35歳からプレドニゾロンの再投与,41歳時に免疫抑制剤の追加投与を受け,ステロイド糖尿病も合併していた.今回,多発性皮下結節が出現し,生検にて抗酸菌を認めPCRにてMycobacterium intracellulareと同定.血液,喀痰,尿の抗酸菌培養でも同菌が検出され,免疫不全に伴う播種性非結核性抗酸菌症と診断した.リファンピシン,クラリスロマイシン,プレドニゾロン,タクロリムスの複雑な薬物相互作用による薬物動態の変化に対し頻繁な用量調整を行い,改善が得られた.
Received 24 Dec 2015 / Accepted 11 Apr 2016
連絡先:興梠 博次
〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘1-1-1
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(5): 235-239, 2016