胸腔鏡下胸膜生検後,胸腔ドレーンを留置した胸壁に膿瘍を形成した結核性胸膜炎の2例
名嘉村 敬 伊志嶺朝彦 福里 夏海 新垣 紀子 下地 勉 玉城 和則
中頭病院呼吸器内科
胸腔鏡下胸膜生検で診断した結核性胸膜炎の経過中,胸壁に膿瘍を形成した2例を経験した.1例は抗結核薬による治療中,生検後に胸腔ドレーンを留置していた部位に膿瘍を形成した.膿からの結核菌培養が陽性で,胸腔ドレーンを介して結核菌が播種した胸囲結核と診断した.もう1例は抗結核薬による治療終了後に,胸腔内に突出する膿瘍を形成した.膿から結核菌は培養されず自然に消失したため,奇異性反応と診断した.結核性胸膜炎の診断に胸腔鏡下胸膜生検は有用であるが,生検後は胸壁に膿瘍を形成しないか注意が必要である.
結核性胸膜炎 胸腔鏡下胸膜生検 胸腔ドレーン 胸囲結核 奇異性反応
Received 10 Sep 2015 / Accepted 1 Apr 2016
連絡先:名嘉村 敬
〒904-2195 沖縄県沖縄市知花6-25-5
中頭病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(4): 222-225, 2016