習慣的飲酒が発症要因と考えられた胃食道逆流症によるびまん性嚥下性細気管支炎の1例
梅谷 俊介 佐藤 竜一 竹中 和弘 奥野 恵子 中村 美保 船田 泰弘
愛仁会高槻病院呼吸器内科
症例は47歳,男性.慢性咳嗽と胸部異常陰影のため紹介受診となり,胸部CTにてびまん性小葉中心性粒状影を認めた.気管支鏡検査では特異的な所見は得られず経過観察していたが,半年後に陰影の増悪を認めた.胸腔鏡下肺生検を施行し,病理所見で細気管支を中心に多彩な異物型肉芽腫を認め,びまん性嚥下性細気管支炎と診断した.詳細に問診したところ,就寝前に飲酒し,夜間の嘔吐を繰り返していたことがわかった.また,上部消化管内視鏡検査で食道裂孔ヘルニアを認めた.断酒によって夜間の嘔吐は著明に減少し,画像所見も改善した.
びまん性嚥下性細気管支炎 胃食道逆流症 食道裂孔ヘルニア うつ病 飲酒
Received 20 Nov 2015 / Accepted 24 Mar 2016
連絡先:船田 泰弘
〒569-1192 大阪府高槻市古曽部町1-3-13
愛仁会高槻病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(4): 199-203, 2016