α1-アンチトリプシン欠乏症診療の手引き2016
平井 豊博a 瀬山 邦明b 巽 浩一郎c 厚生労働省難治性疾患政策研究事業呼吸不全に関する調査研究班
a京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
b順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学
c千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
外部評価委員:三嶋 理晃(京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学),西村 正治(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野)
α1-アンチトリプシン欠乏症は,血中の主要なプロテアーゼインヒビターであるα1-アンチトリプシン(AAT)の欠乏により,若年性に肺気腫を生じ,COPDを発症する疾患である.我が国では欧米よりもさらに希少な疾患であるが,難病法に基づいて2015年7月1日施行の指定難病の一つ(疾病番号231番)であり,呼吸器診療においては,肺気腫やCOPDの鑑別疾患の一つとして本症を想起する必要がある.欧米では,本症に対する特異的な治療法として,AAT補充療法が行われており,我が国でも承認されることが期待される.
肺気腫 COPD 閉塞性換気障害 アンチプロテアーゼ 指定難病
Received 18 Mar 2016 / Accepted 28 Mar 2016
連絡先:平井 豊博
〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54
京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
日呼吸誌, 5(4): 159-165, 2016