肺カンサシ症の治療中にムコール症を合併した1例
製鉄記念八幡病院呼吸器内科
症例は83歳,男性.Mycobacterium kansasiiによる肺感染症に対してイソニアジド,リファンピシン,エタンブトールにて19ヶ月間の治療を行うも,胸部単純CTで肺空洞性病変の壁肥厚を認めた.気管支洗浄液および喀痰の遺伝子解析によりCunninghamella bertholletiaeが同定され,1年以上にわたり画像変化が軽微であり,腐生性肺ムコール症と診断した.腐生性肺ムコール症は報告が少なく,特にC. bertholletiaeによるものは既報がないため,まれな症例として報告する.
Mycobacterium kansasii Cunninghamella bertholletiae 腐生性肺ムコール症 肺アスペルギルス症
Received 18 Dec 2015 / Accepted 17 Feb 2016
連絡先:緒方 大聡
〒805-8508 福岡県北九州市八幡東区春の町1-1-1
製鉄記念八幡病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(3): 154-157, 2016