Lemierre症候群に続発した感染性肺動脈仮性動脈瘤の1例
足立 雄太 山名 高志 齋藤 弘明 山下 高明 齊藤 和人 篠原 陽子
総合病院土浦協同病院呼吸器内科
症例は28歳,男性.化膿性扁桃炎に敗血症性肺塞栓症を合併しLemierre症候群と診断されたが,抗菌薬治療への反応に乏しく肺病変の増悪により大量喀血をするに至った.気管支動脈塞栓術により出血は消退したが,少量の喀血が持続した.肺動脈系の精査で肺動脈仮性動脈瘤が認められ,コイル塞栓術により完全な止血が得られた.一般細菌感染に伴う肺動脈仮性動脈瘤は,まれな疾患ではあるが重篤な転帰をたどる可能性があり,呼吸器感染症に伴う喀血の場合は同疾患の可能性も考慮する必要がある.
Received 20 Aug 2015 / Accepted 1 Feb 2016
連絡先:篠原 陽子
〒300-0053 茨城県土浦市真鍋新町11-7
総合病院土浦協同病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(3): 150-153, 2016