まれな転移様式を示した平滑筋肉腫に対して化学療法が奏効した1例
松井 知治a,b 藤井 知紀a,b 長谷川奈美b 安山 浩信b 佐原 直日a,b 入江 誠治b
a独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院腫瘍内科
b同 血液内科
症例は66歳男性.X−25年頃から右大腿皮下腫瘤を自覚し,緩徐に増大傾向.X−4年,切除にて平滑筋肉腫(pT1bN0M0G1,stage IA)と診断.その後再発なし.X年2月,治療抵抗性の左肺炎精査の結果,平滑筋肉腫再発,多発転移(気管支内,肺,骨,肝,回腸,結腸,皮下)と診断.Doxorubicin(DXR)とifosfamide(IFM)併用療法が著効し,肺炎・無気肺の劇的な改善を得た.
Received 13 Aug 2015 / Accepted 2 Dec 2015
連絡先:松井 知治
〒211-8510 神奈川県川崎市中原区木月住吉町1-1
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院腫瘍内科
日呼吸誌, 5(2): 80-83, 2016