結核性胸膜胼胝に発症した扁平上皮癌の3症例
岩見 枝里 中鉢正太郎 池村辰之介 中島 隆裕 松崎 達 寺嶋 毅
東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科
症例1は74歳,女性.右側胸部痛,右胸膜から胸壁,肋骨,横隔膜,肝臓に浸潤する腫瘤を認めた.生検にて扁平上皮癌を認め,放射線治療を受け6ヶ月後に死亡した.症例2は84歳,女性.左胸痛,左胸膜から胸壁,肋骨に浸潤する腫瘤を認めた.生検にて扁平上皮癌と判明し,胸部への放射線治療を受けた.その後,小腸転移から腸閉塞を発症し切除術を受け8ヶ月後に死亡した.症例3は81歳,男性.腰椎転移病巣より扁平上皮癌を認め,左胸膜から胸壁,肋骨に浸潤する腫瘤が原発巣と考えられた.いずれも非喫煙者であり,考察を加えて報告する.
Received 7 Oct 2015 / Accepted 17 Dec 2015
連絡先:寺嶋 毅
〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(2): 71-74, 2016