成人肺炎マイコプラズマ感染症に対するクラリスロマイシンの有効性の検討
河野 茂a 門田 淳一b 田中 裕士c 宮下 修行d 松瀬 厚人e 泉川 公一f 尾内 一信g
a長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器病態制御学講座
b大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
cNPO法人札幌せき・ぜんそく・アレルギーセンター
d川崎医科大学総合内科学1
e東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
f長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座臨床感染症学分野
g川崎医科大学小児科学講座
マクロライド耐性肺炎マイコプラズマの分離が報告されるなか,クラリスロマイシンの治療効果を検討するため,2014年に成人の肺炎マイコプラズマ感染症に対する特定使用成績調査を実施した.肺炎マイコプラズマ感染症と判定された31症例における成績は治癒5例,軽度改善26例であり,総合効果判定は全症例で有効であった.また,マクロライド耐性遺伝子を有する1例においても投与終了時に咳嗽を含むすべての症状が消失し,有効であった.成人の肺炎マイコプラズマ感染症に対しクラリスロマイシン投与により良好な成績が得られた.
肺炎マイコプラズマ クラリスロマイシン 気管支炎 感染性咳嗽 臨床試験
Received 1 Sep 2015 / Accepted 20 Nov 2015
連絡先:河野 茂
〒852-8501 長崎県長崎市坂本1-7-1
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器病態制御学講座
日呼吸誌, 5(2): 64-70, 2016