胸腔鏡下肺生検で診断した,抗リン脂質抗体症候群に伴う肺梗塞の1例
石黒 卓a 高柳 昇a 池谷 朋彦b 鍵山 奈保a 清水 禎彦c 杉田 裕a 朝倉 英策d
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 外科
c同 病理診断科
d金沢大学付属病院高密度無菌治療部
症例は29歳,男性,健康診断で右上肺野の結節影を指摘されて受診した.経気管支肺生検を行ったが診断が得られず,胸腔鏡下肺生検にて肺梗塞と診断した.組織診断後に施行した造影CTでは造影欠損像を認めなかった.肺梗塞を起こしうる基礎疾患を検索したところループスアンチコアグラントが2回陽性であり,抗リン脂質抗体症候群と診断した.孤立性結節の鑑別に肺梗塞を加え,その原因として抗リン脂質抗体を調べる必要がある.
肺梗塞 急性肺血栓塞栓症 ループスアンチコアグラント 抗リン脂質抗体症候群 胸腔鏡下肺生検
Received 16 Jul 2015 / Accepted 19 Sep 2015
連絡先:石黒 卓
〒360-0105 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 5(1): 41-45, 2016