血清CYFRA上昇を認めた線維形成型胸膜中皮腫の1例
名古屋セントラル病院呼吸器内科
症例は79歳,女性.発熱,左背部痛にて当科紹介となった.胸部単純CTにて左胸膜の全周性肥厚を認め,CTガイド下胸膜生検にて線維形成型胸膜中皮腫と診断された.化学療法前の採血にて血清CYFRAが異常高値であった.カルボプラチンとペメトレキセド併用療法を4コース行い,一時的に胸膜肥厚の減少がみられたが5ヶ月後に再度悪化した.血清CYFRAは化学療法後に低下したが,腫瘍の再発時に再度上昇した.その後病勢が進行し初診より11ヶ月後に死亡した.
Received 21 Apr 2015 / Accepted 24 Aug 2015
連絡先:小林 玄弥
〒453-0801 愛知県名古屋市中村区太閤3-7-7
名古屋セントラル病院呼吸器内科
日呼吸誌, 5(1): 13-17, 2016