体外式膜型人工肺にて救命しえた難治性気胸合併重症肺炎の1例
河口 知允a,b 山本 悠造b,c 林谷 俊児b 小島 雅之b 出水みいるb,d
a独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院呼吸器内科
b福岡赤十字病院
c九州大学大学院医学研究院付属胸部疾患研究施設
d独立行政法人国立病院機構大牟田病院呼吸器科
症例は63歳,男性.肺炎の診断で入院となり,入院後呼吸不全が進行したため人工呼吸管理を開始した.その後右気胸を併発し胸腔ドレナージを施行したが改善せず,呼吸状態が悪化したため体外式膜型人工肺(ECMO)を開始した.ECMO開始後,呼吸状態は安定し肺炎も抗菌薬投与により改善したが気胸に関しては胸膜癒着術を行うも改善せず,ECMO装着下に外科手術を施行した.術後経過は良好で術後ECMOを離脱し,人工呼吸器も離脱した.今回ECMOにより救命しえた難治性気胸合併重症肺炎の1例を経験したのでここに報告する.
Received 14 Feb 2015 / Accepted 10 Jul 2015
連絡先:河口 知允
〒806-0034 福岡県北九州市八幡西区岸の浦1-8-1
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(6): 483-487, 2015