ダプトマイシンによる急性好酸球性肺炎が疑われた1例
辻本 和徳a 土岐 博之b 小川 義高c 大和 寛幸d 三宅ヨシカズb 兒玉 憲d
a八尾市立病院感染制御内科
b同 形成外科
c同 糖尿病内科
d同 外科
e同 呼吸器外科
症例は62歳,男性.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染を伴う糖尿病性足病変に対して,レボフロキサシンとダプトマイシン(daptomycin:DAP)による治療中にDAP誘発性急性好酸球性肺炎を発症し,薬剤中止とステロイド投与により改善した.本例ではI型アレルギーの既往が多く,DAPによる好酸球性肺炎発症の素因となった可能性が考えられた.今後DAPを使用する際に,アレルギー素因,特に薬剤性のI型アレルギーの既往を持つ症例では好酸球性肺炎の発症に留意するとともに,発症例の蓄積・検討が必要である.
ダプトマイシン レボフロキサシン 薬剤性肺障害 急性好酸球性肺炎 アレルギー
Received 5 Feb 2015 / Accepted 31 Jul 2015
連絡先:辻本 和徳
〒581-0069 大阪府八尾市龍華町1-3-1
八尾市立病院感染制御内科
日呼吸誌, 4(6): 468-472, 2015