気管支肺胞洗浄液でのリンパ球刺激試験が陽性のクロピドグレルによる薬剤性肺炎の1例
村木 慶子a,b 関谷 充晃a 柳下 薫寛a 児玉 裕三a 瀬山 邦明a 高橋 和久a
a順天堂大学医学部呼吸器内科
b順天堂大学医学部附属浦安病院呼吸器内科
症例は63歳,男性.脳梗塞の疑いでクロピドグレル投与が開始され,5ヶ月後より労作時呼吸困難を自覚した.胸部CTで両肺野にすりガラス陰影,浸潤影を認め,精査目的で入院した.気管支肺胞洗浄液のリンパ球比率の増加に加え,クロピドグレルに対するリンパ球刺激試験が陽性であり,同薬剤による薬剤性肺炎と診断した.プレドニゾロン30 mg/日を開始したところ,陰影は速やかに改善した.クロピドグレルによる薬剤性肺炎はまれであり報告する.
薬剤性肺炎 クロピドグレル 薬剤リンパ球刺激試験 気管支肺胞洗浄液
Received 30 Apr 2015 / Accepted 30 Jul 2015
連絡先:村木 慶子
〒113-8431 東京都文京区本郷3-1-3
順天堂大学医学部呼吸器内科
日呼吸誌, 4(6): 459-463, 2015