心臓手術後17年経過して肺転移による症状を契機に発症した心臓血管肉腫の1例
森田 吉恵a 森本 健司a 谷村 恵子a 千原 佑介a 金子 美子a 岩崎 吉伸b
a京都府立医科大学附属病院呼吸器内科
b京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科学
症例は69歳,男性.52歳時に僧帽弁狭窄と大動脈弁狭窄のため右房切開で二弁置換術を受けた既往がある.血痰と労作時呼吸困難があり,胸部X線写真で両肺野に複数の結節影やすりガラス影を,また造影CTにて右房に腫瘤,両肺に複数の結節影,小葉間隔壁の肥厚を伴うすりガラス影を認め,同部位にポジトロンエミッション断層撮影で異常集積を認めた.心臓カテーテル検査で右房腫瘤の一部を吸引し,心臓血管肉腫と診断した.ドセタキセルを投与したが,診断から6ヶ月半後に血胸で死亡した.
Received 31 Mar 2015 / Accepted 7 Jul 2015
連絡先:森田 吉恵
〒602-8566 京都府京都市上京区梶井町465
京都府立医科大学附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(6): 439-443, 2015