肺浸潤をきたし確定診断に難渋した悪性リンパ腫の2例
肥田 典子a 堀内 一哉a 石井 源a 笠原 慶太a 鈴木 隆a 御子神哲也b
a昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター
b同 臨床病理診断科
初診時より肺病変を伴う悪性リンパ腫の報告は少なく,画像所見も多彩であるため確定診断までに難渋する例も多い.経気管支肺生検の結果からは器質化肺炎およびびまん性肺胞障害の診断であったが,ステロイド治療にも反応が乏しく,他部位の生検にて悪性リンパ腫の確定診断を得た2例を経験した.発熱,LDH上昇,可溶性インターロイキン2受容体上昇,胸部CTにてびまん性すりガラス様陰影を認める場合には本疾患も念頭に置き,積極的な組織診断が重要と考える.
器質化肺炎 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 成人T細胞性白血病/リンパ腫 可溶性インターロイキン2受容体
Received 2 Dec 2014 / Accepted 23 Apr 2015
連絡先:肥田 典子
〒224-8503 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央35-1
昭和大学横浜市北部病院呼吸器センター
日呼吸誌, 4(5): 365-369, 2015