気腫合併肺線維症に併発した肺癌に対して外科的治療を行った27例の臨床的検討
溝上 裕子a 増永 愛子a 小嶋 圭介a 髙橋比呂志a 佐伯 祥a 一安 秀範a 吉本健太郎b 森 毅b 鈴木 実b 興梠 博次a
a熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
気腫合併肺線維症(combined pulmonary fibrosis and emphysema:CPFE)は高率に肺癌を合併するが,合併した肺癌の外科的治療について一定の見解はない.当院でCPFE合併肺癌に肺切除術を施行した27症例を後方視的に検討した.手術方法は胸腔鏡22例,開胸5例,術式は部分切除術1例,葉切除術以上26例であった.術後2例で間質性肺炎の急性増悪をきたしたが,多くの症例で術後肺機能は保たれていた.CPFE合併肺癌に対しては適応があれば外科的治療を検討すべきと考えられた.
気腫合併肺線維症 肺癌 肺切除術 術後合併症 間質性肺炎の急性増悪
Received 20 Oct 2014 / Accepted 30 Apr 2015
連絡先:興梠 博次
〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘1-1-1
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(5): 343-351, 2015