両肺に多発結節・腫瘤性陰影を呈し,胸腔鏡下肺生検で診断された肺炎症性偽腫瘍の1例
森崎 晋史 池亀 聡 田尾 義昭 岡林 寛 居石 克夫 髙田 昇平
独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター
症例は70歳,女性.ガレノキサシンに反応しない胸部異常陰影のため当院を受診した.胸部CT上,両肺に大小不同の多発結節・腫瘤性陰影が認められ,気管支鏡検査を行ったが確定診断には至らなかった.可溶性IL-2受容体上昇などから悪性リンパ腫疑いとして胸腔鏡下肺生検を行い,右中葉の病変を病理学的に検索を行い,炎症性偽腫瘍の診断に至った.プレドニゾロン30 mg/日の内服を開始したところ,病変は速やかに軽快した.多発病変を有する炎症性偽腫瘍は非常にまれであり,文献的考察を交えて提示する.
Received 26 Nov 2014 / Accepted 20 Feb 2015
連絡先:池亀 聡
〒811-3195 福岡県古賀市千鳥1-1-1
独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター
日呼吸誌, 4(4): 336-339, 2015