眼窩内・上顎洞内病変を伴い,片側性に発症した好酸球性肺炎の1例
町田 浩祥 井上 純人 佐藤 環 五十嵐 朗 柴田 陽光 久保田 功
山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科)講座
症例は63歳,男性.約10年前から左目の違和感があり,その後複視と眼球突出を自覚した.左眼窩内腫瘍を認め,手術を行い特発性眼窩炎症と診断された.その際のMRI,CTで左上顎洞陰影,左下肺野の浸潤影を認め,精査によりいずれも好酸球性の炎症所見を得た.プレドニゾロンの内服治療を行い,いずれの画像所見も改善を認めた.我々の知りうる限りでは,眼窩内と上顎洞病変を伴った片側性好酸球性肺炎はこれまで報告されていない.
Received 28 Nov 2014 / Accepted 9 Apr 2015
連絡先:井上 純人
〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2
山形大学医学部内科学第一(循環・呼吸・腎臓内科)講座
日呼吸誌, 4(4): 327-331, 2015