敗血症性ショック,急性呼吸不全を合併したアシネトバクター超重症市中肺炎の1救命例
矢部真紗美 吉井 悠 清水健一郎 荒屋 潤 中山 勝敏 桑野 和善
東京慈恵会医科大学附属病院呼吸器内科
症例は49歳,男性.X年8月に敗血症性ショック,呼吸不全を合併した超重症市中肺炎で入院.人工呼吸器管理としイミペネム/シラスタチン,レボフロキサシンを併用し治療開始した.喀痰,血液培養からAcinetobacter baumanniiが検出され起因菌と判明.ショックに対しノルアドレナリン,バソプレシン併用を要した.肺炎に伴う器質化による呼吸不全が遷延したが救命しえた.A. baumanniiによる市中肺炎はまれだが,致死率は高い.適切な抗菌薬と合併症に対する治療が救命に重要と考えられた.
Acinetobacter baumannii 急性呼吸不全 市中肺炎 敗血症性ショック
Received 29 Oct 2014 / Accepted 9 Mar 2015
連絡先:矢部 真紗美
〒105-8461 東京都港区西新橋3-25-8
東京慈恵会医科大学附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(4): 313-318, 2015