ムコイド型肺炎球菌による重症市中肺炎の1例
信楽園病院呼吸器内科
症例は65歳,男性.重症肺炎球菌性市中肺炎で入院した.肺炎球菌は,特徴的コロニー像からムコイド型と診断された.十分量の感受性抗菌薬治療にもかかわらず悪化したが,アジスロマイシン併用後改善傾向となった.当院の肺炎球菌性市中肺炎をムコイド型と非ムコイド型により比較したところ,ムコイド型でCRP値と陰影の広がりが高度で,抗菌薬使用期間が長かった.ムコイド型肺炎球菌性市中肺炎は,非ムコイド型に比べ重症化,難治化する可能性があり,重要なphenotypeと考えられた.
Received 25 Dec 2014 / Accepted 2 Mar 2015
連絡先:川崎 聡
〒950-2087 新潟県新潟市西区新通南3-3-11
信楽園病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(4): 303-308, 2015