自然寛解が示唆された血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
河井 康孝a 中村 友彦a 小栗 満a 橋本亜香利b 鈴木 昭c,d
a王子総合病院呼吸器内科
b同 血液腫瘍内科
c同 臨床検査科
d KKR札幌医療センター病理診断科
症例は59歳,女性.LDHの異常高値にて当院紹介となった.胸部CTにて両肺びまん性にすりガラス陰影を認め,PET-CTでは陰影に一致して軽度の集積がみられた.間質性肺炎や血管内リンパ腫などを疑い精査したが確定診断に至らず,胸腔鏡下肺生検にて血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma:IVLBCL)と診断した.病理検体中にはごく一部にしか腫瘍細胞を認めず,その後のCTでは陰影は明らかに改善していたためIVLBCLの自然寛解と考えた.
びまん性すりガラス陰影 血管内大細胞型B細胞リンパ腫 自然寛解
Received 18 Jan 2015 / Accepted 6 Apr 2015
連絡先:河井 康孝
〒053-8506 北海道苫小牧市若草町3-4-8
王子総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(4): 298-302, 2015