呼吸不全で発症した胸部CT所見が正常の血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例
岐阜赤十字病院呼吸器内科
症例は76歳,女性.息切れを主訴に受診した.胸部CT所見は正常であり,LDHが著明高値を示した.肺換気シンチグラフィは正常,肺血流シンチグラフィは多発性欠損を認めた.FDG-PETは両下葉背側にFDGの軽度集積を認めた.その後,神経症状が出現し初診後7ヶ月で死亡した.死後,TBLB検体の再検討でCD20陽性の異型細胞が肺胞毛細血管内に多数増殖している所見を認め血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)と診断した.LDH高値で胸部CT所見が正常の呼吸不全で発症したIVLBCL症例を経験したので報告する.
Received 20 Dec 2014 / Accepted 13 Apr 2015
連絡先:澤田 昌浩
〒502-8511 岐阜県岐阜市岩倉町3-36
岐阜赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(4): 293-297, 2015