好酸球性胸水を認めたアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の1例
京都第二赤十字病院呼吸器内科
症例は79歳,男性で,発熱および呼吸困難を主訴に受診し,左肺野に気管支拡張や浸潤影,胸水貯留を認めた.診断基準の喘息を欠いてはいたが,末梢血好酸球増多や血清IgE高値,アスペルギルス沈降抗体陽性,即時型皮内反応陽性を呈しアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)と診断した.経口ステロイドに抗真菌薬を併用することで良好な病勢コントロールが得られ,好酸球性胸水も同様に改善を認めた.ABPAに好酸球性胸水を伴った報告は過去に2例とまれであり,報告する.
Received 23 Oct 2014 / Accepted 13 Jan 2015
連絡先:谷村 恵子
〒602-8026 京都府京都市上京区釜座通丸太町上ル春帯町355-5
京都第二赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(3): 249-252, 2015