治療経過中の2ヶ月で粟粒脳転移巣が石灰化した肺腺癌の1例
a京都府立医科大学附属病院呼吸器内科
b住友病院呼吸器内科
症例は63歳,女性.EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌で,初診時に播種性血管内凝固,癌性髄膜炎と実行機能障害を有する粟粒脳転移を合併した.ゲフィチニブ投与開始後一時昏睡に至ったが,投与3週後に意識清明となり,認知症状も改善し,投与4週後に抗凝固療法は不要となった.その後全脳照射を追加した.初診後3ヶ月で認知症状,4ヶ月で意識障害が再燃し,診断後6ヶ月半で死亡した.初診後3ヶ月から5ヶ月までの2ヶ月間に,CT画像の経過で粟粒脳転移巣が石灰化したことが確認された.
Received 5 Jun 2014 / Accepted 30 Dec 2014
連絡先:森田 吉恵
〒602-8566 京都府京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465
京都府立医科大学附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(3): 227-230, 2015