間質性肺炎,閉塞性細気管支炎の分類と本邦脳死肺移植登録患者の生存率の検討
佐藤 雅昭a 松田 芳b 岡田 克典c 大藤 剛宏d 南 正人e 山崎 直哉f 岩田 剛和g 吉野 一郎g 白石 武史h 千田 雅之i 永安 武f 奥村明之進e 近藤 丘c 伊達 洋至a 三好新一郎d
a京都大学医学部附属病院呼吸器外科
b東北大学大学院医学系研究科社会医学講座公衆衛生学分野
c東北大学加齢医学研究所呼吸器外科学分野
d岡山大学大学院医歯薬学総合研究科呼吸器乳腺内分泌外科
e大阪大学大学院医学研究科呼吸器外科
f長崎大学大学院腫瘍外科
g千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学
h福岡大学呼吸器・内分泌・小児外科
i獨協医科大学呼吸器外科
本邦脳死肺移植登録病名で特発性間質性肺炎(IIPs),その他の間質性肺炎(その他のIP),閉塞性細気管支炎(BO)が使われているが,後二者はさまざまな疾患を含む.慢性過敏性肺臓炎,膠原病関連間質性肺炎(ともにその他のIPに分類されることが多い),造血幹細胞移植後肺障害(その他のIPまたはBOに分類)の肺移植待機中の予後はIIPsと同様非常に悪い.移植後の予後は,間質性肺炎は全般に良好,造血幹細胞移植後肺障害は悪い傾向がある.本邦脳死肺移植待機患者の移植優先順位は,この結果をふまえた検討が必要である.
Received 15 Dec 2014 / Accepted 2 Feb 2015
連絡先:佐藤 雅昭
〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器外科
日呼吸誌, 4(3): 210-215, 2015