二期的に両側肺切除術を施行した肺接合菌症の1例
蛯原 健a,b 尾田 一之c 池田 直樹a 柴野 賢d 棟方 哲e 兒玉 憲f
a市立堺病院呼吸器外科
b同 救急外科
c東大阪市立総合病院呼吸器外科
d市立堺病院血液内科
e同 病理診断科
f八尾市立病院呼吸器外科
急性骨髄性白血病に対して化学療法中の61歳,男性.寛解導入療法開始後33日目に血痰を認めた.胸部CTで両側上葉に浸潤影を認めたため,広域抗菌薬に加え抗真菌薬の投与を行った.血痰は消失し炎症所見も改善し,臨床経過から真菌性肺炎と診断した.抗真菌薬の投与を継続したが陰影は消失せず,同83日目に血痰が再燃したため,病変切除の方針とした.左上葉病変に対して同117日目に上葉切除術を,右上葉病変に対し同167日目に部分切除術を施行し,病理組織学的検査にて両病変とも肺接合菌症と診断した.
Received 2 Jul 2014 / Accepted 2 Dec 2014
連絡先:池田 直樹
〒590-0064 大阪府堺市堺区南安井町1-1-1
市立堺病院呼吸器外科
日呼吸誌, 4(2): 200-204, 2015