陽陰圧体外式人工呼吸器を併用し全肺洗浄を行った自己免疫性肺胞蛋白症の1例
加藤 慎平 笠松 紀雄 松田 周一 杉本 俊介 矢野 利章 小笠原 隆
浜松医療センター呼吸器内科
症例は64歳,男性.健診胸部X線異常にて受診.胸部CTで両肺網状すりガラス状陰影を認め,気管支鏡検査で白濁気管支肺胞洗浄液を回収した.抗GM-CSF抗体陽性であり,自己免疫性肺胞蛋白症と診断した.経過観察中に労作時呼吸困難が悪化し,全肺洗浄を施行した.洗浄効率を上げる目的で,陽陰圧体外式人工呼吸器(BCV)を用いて高振動を与えた後に排液を行った.BCVの操作は簡便かつ安全に実施でき,高い排液回収が得られ,術後陰影および酸素化の改善効果を認めた.全肺洗浄におけるBCVの使用は洗浄液回収に有用である可能性が示唆された.
Received 25 Apr 2014 / Accepted 18 Nov 2014
連絡先:加藤 慎平
〒432-8580 静岡県浜松市中区富塚町328
浜松医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 4(2): 185-188, 2015