ビルダグリプチンによる薬剤性肺炎の1例
矢島 剛洋 神宮 大輔 庄司 淳 五十嵐孝之 渡辺 洋 高橋 洋
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器内科
症例は85歳,男性.2型糖尿病に対し,2013年3月19日よりビルダグリプチンが投与され,腎機能障害のため6月21日よりリナグリプチンへ変更された.6月26日より労作時呼吸困難が出現し,CTで両肺にすりガラス様陰影が認められた.気管支肺胞洗浄液ではリンパ球優位(62%)の細胞数増加が確認された.薬剤性肺炎を疑って第2病日よりステロイドパルス療法を行い,順調に改善した.Drug lymphocyte stimulation testではビルダグリプチンが陽性だった.近年,DPP-4阻害薬の処方頻度は増加しており,注意が必要である.
薬剤性肺炎 ビルダグリプチン リナグリプチン DPP-4阻害薬 糖尿病
Received 22 Aug 2014 / Accepted 15 Dec 2014
連絡先:矢島 剛洋
〒985-0024 宮城県塩釜市錦町16-5
宮城厚生協会坂総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(2): 176-180, 2015