メトトレキサートの長期投与で発症したメトトレキサート関連リンパ増殖性疾患の1例
鈴木真実子 熊澤 文雄 清水 哲男 遠藤 大介 権 寧博 高橋 典明 橋本 修
日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
症例は70歳の男性.2003年に関節リウマチと診断されメトトレキサート(MTX)投与を開始し,2006年にアダリムマブを併用した.2013年6月に発熱・乾性咳嗽が出現し,胸部単純X線写真で右肺門部に腫瘤影を認め入院した.腫瘤はアダリムマブを中止後も改善せず,超音波気管支鏡下穿刺吸引生検の病理所見では異型リンパ球の増殖を認め,Epstein-Barr virus-encoded RNA-1染色陽性であったことから,10年間のMTX投与により発症したMTX関連リンパ増殖性疾患と診断した.MTXを中止し腫瘍は著明に縮小した.
メトトレキサート メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 悪性リンパ腫 Epstein-Barrウイルス
Received 25 Aug 2014 / Accepted 18 Nov 2014
連絡先:鈴木 真実子
〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1
日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 4(2): 158-161, 2015