CT画像が診断の契機となったアミオダロン肺障害の1例
近藤あかりa,b 松田 宏幸a,b 堀池 安意a,b 丹羽 充b,c 平田 健雄b 須田 隆文c
a静岡赤十字病院呼吸器科
b静岡市立静岡病院呼吸器内科
c浜松医科大学第二内科
症例は68歳の男性.2年前に急性心筋梗塞を発症し,経過中に心室性不整脈が出現しアミオダロンが開始となったが,体重減少と胸部異常陰影を指摘され静岡市立静岡病院呼吸器内科を受診した.胸部CTにてCT値の上昇を伴う多発性の浸潤影があり,肝臓や甲状腺などのCT値の上昇も認められた.肺生検による病理組織では泡沫細胞やマクロファージの増生が確認され,経過からアミオダロン肺障害と診断し,アミオダロンの中止のみで軽快した.アミオダロン肺障害は致死率の高い疾患であるが,特徴的な画像所見から迅速な診断につながる可能性があり報告する.
Received 9 Apr 2014 / Accepted 7 Oct 2014
連絡先:近藤 あかり
〒420-0853 静岡県静岡市葵区追手町8-2
静岡赤十字病院呼吸器科
日呼吸誌, 4(1): 125-128, 2015