CTアンギオグラムサインを呈した浸潤性粘液腺癌の2例
新野 祐樹a 芳賀 高浩b 荒川さやかa 鈴木 勝a 長 晃平b 坂本 芳雄a
a公立学校共済組合関東中央病院呼吸器内科
b日産厚生会玉川病院呼吸器内科
症例1は72歳,男性.5年前に胸部異常影を指摘された.3ヶ月前から咳嗽があり精査目的に入院.胸部CTでCTアンギオグラムサインを伴うコンソリデーションがみられた.確定診断に至らず2ヶ月後に死亡.剖検で浸潤性粘液腺癌と診断した.症例2は68歳,女性.3ヶ月前から胸部異常影の精査を他院で行っていたが診断がつかず公立学校共済組合関東中央病院紹介.胸部CTでCTアンギオグラムサインを伴うコンソリデーションがみられた.経気管支肺生検で浸潤性粘液腺癌と診断した.CTアンギオグラムサインは浸潤性粘液腺癌に特徴的な所見であり,診断の一助になる.
Received 11 Jun 2014 / Accepted 29 Sep 2014
連絡先:新野 祐樹
〒158-0098 東京都世田谷区上用賀6-25-1
公立学校共済組合関東中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 121-124, 2015