リンパ節腫大が先行し多発斑状影を呈した超硬合金肺の1例
小川 未来 橋本 昌枝 久保 寛明 京本 陽行 千葉 玲哉 眞本 卓司
社会医療法人生長会ベルランド総合病院呼吸器内科
症例は57歳,男性.横行結腸癌術後経過中に胸部CTで,右鎖骨上窩,右肺門,縦隔のリンパ節腫大を指摘された.リンパ節生検では診断に至らず,1年後には結節影が出現し,その3ヶ月後には両側全肺野に多発斑状影が出現した.外科的肺生検を施行し,巨細胞性間質性肺炎の組織像を認めた.金型製造に従事していることが判明し,肺病変の元素分析でコバルトが検出され超硬合金肺と診断した.先行したリンパ節病変も病理組織像や免疫染色から,超硬合金粉塵曝露による反応と考えられた.
Received 14 Jun 2014 / Accepted 14 Oct 2014
連絡先:小川 未来
〒599-8247 大阪府堺市中区東山500-3
社会医療法人生長会ベルランド総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 116-120, 2015