非チフス性Salmonella属菌が原因と考えられた胸膜炎の1例
田子謙太郎a 佐々木義明a 田中 陽子a 楢林 朋子a 酒井 晋介a 大野喜代志b
a独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院内科
b北大阪警察病院内科
症例は56歳,男性,20XX年10月頃より倦怠感を自覚,さらに翌年1月に右胸痛が出現したために当院を受診,胸部X線にて右胸腔に大量胸水貯留が疑われ入院となった.入院後胸腔ドレインチューブを挿入,胸水よりSalmonella属菌O-7群が検出された.第9病日よりシプロフロキサシンの投与を開始した.胸腔ドレインチューブ留置のみでは胸水の排液が不良であったために,ウロキナーゼによる胸腔内線維素溶解療法を行った.その後胸膜炎は改善,第29病日にドレインチューブを抜去して第39病日に軽快退院となった.Salmonella属菌による胸膜炎はまれであるために報告する.
Received 2 Aug 2014 / Accepted 15 Oct 2014
連絡先:田子 謙太郎
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島4-2-78
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)大阪病院内科
日呼吸誌, 4(1): 106-109, 2015