歩行障害で発症し腐葉土が感染源と考えられたレジオネラ・ロングビーチ肺炎の1例
藤﨑 育実 高柳 昇 石黒 卓 鍵山 奈保 柳澤 勉 杉田 裕
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
症例は78歳,男性.歩行中にふらついて転倒し,他院(整形外科と脳神経外科)を受診,検査異常を認めなかった.第6病日から咳嗽があり第10病日に埼玉県立循環器・呼吸器病センターを受診,肺炎の診断で入院した.レジオネラ尿中抗原は陰性であったが腐葉土の使用歴と歩行障害からレジオネラ肺炎を疑った.気管支肺胞洗浄液からLegionella longbeachaeが培養され抗菌薬投与により肺炎・歩行障害とも軽快した.神経症状を呈する症例,腐葉土の使用歴がある症例ではレジオネラ肺炎を考慮する必要がある.
Legionella longbeachae 腐葉土 気管支肺胞洗浄 ヒメネス染色 肺炎
Received 4 Jun 2014 / Accepted 7 Oct 2014
連絡先:藤﨑 育実
〒360-0965 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 101-105, 2015