胸部CTで広範な浸潤影と高カルシウム血症を呈した肺クリプトコッカス症の1例
a東京医科大学病院呼吸器内科
b虎の門病院分院呼吸器科
症例は91歳,女性.38℃の発熱,意識障害が出現し,虎の門病院分院を受診.胸部X線で両中下肺野優位に浸潤影と高カルシウム(Ca)血症を認め,入院.抗菌薬投与後も画像所見・高Ca血症は改善しなかった.原因として,悪性腫瘍や副甲状腺疾患等は認めず,CTガイド下生検を施行.Grocott染色で酵母様真菌と,培養でCryptococcus neoformansを検出.抗真菌薬投与にて高Ca血症が改善し,クリプトコッカス症が原因と推定された.C. neoformans感染に伴う高Ca血症のまれな1例を報告する.
肺クリプトコッカス症 Cryptococcus neoformans 肉芽腫性病変 高Ca血症 CTガイド下生検
Received 19 Apr 2014 / Accepted 18 Sep 2014
連絡先:山越 志保
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1
東京医科大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 91-95, 2015