好酸球性肺浸潤に肺血栓塞栓症,下肢静脈血栓症を合併した好酸球増多症候群の1例
東 盛志a,b 鈴木 瑶子b 西山 直樹b,c 惠島 将b 山下理奈子b 瀧 玲子b
a東京医科歯科大学附属病院呼吸器内科
b武蔵野赤十字病院呼吸器科
c土浦協同病院呼吸器内科
症例は55歳,男性.発熱,呼吸困難を主訴に武蔵野赤十字病院受診.末梢血好酸球増多,凝固異常,胸部X線で両側肺浸潤影を認め,気管支肺胞洗浄液中の好酸球が増多していたことから,好酸球性肺疾患と播種性血管内凝固症候群の合併を考慮し,副腎皮質ステロイド剤,抗凝固療法を開始した.好酸球増多と画像所見はすみやかに改善したが,凝固異常が遷延し血栓塞栓症を疑った.造影CT等施行し肺血栓塞栓症,下肢静脈血栓症の合併と診断した.他の好酸球増多症は否定され,好酸球増多症候群と診断,肺病変は好酸球性肺浸潤と肺梗塞の併存と考えた.
Received 14 Jun 2014 / Accepted 20 Oct 2014
連絡先:東 盛志
〒113-8510 東京都文京区湯島1-5-45
東京医科歯科大学附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 86-90, 2015