気管支喘息と気道粘膜病変を伴った慢性好酸球性肺炎の1例
内藤 佳子 佐藤 留美 古賀奈津子 西村 宗胤 上村 知子 古賀 丈晴
朝倉医師会病院呼吸器内科
症例は33歳,男性.気管支喘息の加療中に咳嗽・呼吸困難のため入院となった.胸部画像でびまん性のすりガラス陰影を呈し,末梢血好酸球の増多を認めた.気管支鏡検査で気道粘膜の発赤・浮腫・白苔を認め,白苔は生検の結果,好酸球の集簇であった.気管支肺胞洗浄液や肺組織中にも好酸球の増多があり,気管支喘息を合併した慢性好酸球性肺炎と考えられ,ステロイドの全身投与により改善した.慢性好酸球性肺炎では気道に好酸球が集簇して白苔を呈することがあり,ステロイドの全身投与により消退することが示唆された.
好酸球性肺疾患 好酸球性気管支炎 気管支喘息 気道粘膜病変 白苔
Received 12 Apr 2014 / Accepted 20 Oct 2014
連絡先:古賀 丈晴
〒838-0069 福岡県朝倉市来春422-1
朝倉医師会病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 81-85, 2015