Topics 5 呼吸リハビリテーションと身体活動性―身体活動性の向上・維持に関する現況と課題―
順天堂大学大学院医療看護学研究科臨床病態学分野呼吸器系
呼吸リハビリテーションは慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の呼吸困難を軽減,運動耐容能,健康関連QOLを改善させ,これらの効果は薬物療法に上乗せで得ることができる.運動療法は呼吸リハビリテーションの中核となるが,運動療法で得られた効果が,COPD患者の日常生活における身体活動性の向上に必ずしも結びつかない.これは薬物療法においても同様である.さまざまな取り組みが行われているが,real-timeフィードバックが有用とされ,歩数計は身体活動性の向上に関するモチベーションを向上させる.呼吸コンディショニングはCOPDの呼吸困難や肺過膨張,歩行時のSpO2の低下を軽減させる効果が示唆されており,この指導の強化が身体活動性を向上させる可能性がある.生活習慣を変える行動変容が身体活動性の向上に最も有用であり,今後,COPDを対象とした最適なBehavioral Modification Interventionの開発に関して,さらに研究を展開していく必要がある.
身体活動性 慢性閉塞性肺疾患 呼吸リハビリテーション セルフマネジメント教育 行動変容 アプリケーションソフトウェア
連絡先:植木 純
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順天堂大学大学院医療看護学研究科臨床病態学分野呼吸器系
日呼吸誌, 4(1): 36-40, 2015