Topics 1 身体活動性の評価法
独立行政法人国立病院機構和歌山病院呼吸器内科
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の身体活動性維持・向上の重要性は近年認識されてきているが,いまだ確立した標準法は存在せず,質問票,歩数計,加速度計,代謝モニターなどが用いられている.質問票は簡便ではあるが,加速度計を用いた場合より感度が低い.歩数計も悪くないが,可能なら加速度計,特に妥当性の確認された3軸加速度計の使用が推奨される.代謝モニターでは精度は高いが,実臨床では使用しにくい.再現性のデータを抽出するには,雨天・休日・特別な行事のあった日・平均気温が2.5℃未満および27.0℃以上の日を除いた3日間のデータを抽出し,強度別活動時間と1日平均活動強度を指標として用いるのが最も良いと考えられる.しかし標準法が確立していない現時点においては,歩数計や1~3軸の加速度計などを用いて身体活動性を評価し,患者の身体活動性向上に対する意識を高める指導が最も重要であると考えられる.
連絡先:南方 良章
〒644-0044 和歌山県日高郡美浜町和田1388
独立行政法人国立病院機構和歌山病院呼吸器内科
日呼吸誌, 4(1): 8-14, 2015