Topics 4 Continuous positive airway pressure
医療法人徳永呼吸睡眠クリニック内科・呼吸器内科
閉塞型睡眠時無呼吸症に対して持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure:CPAP)が処方される数は,グローバルに増加している.CPAPのアドヒアランスが,次の主要な問題となっている.進化したCPAPは,さまざまな自発呼吸の吸気・呼気変動に対して上気道に呼気孔を介して一定の圧をかける高流量送風装置である.CPAPは,ポンプではない.最近では,CPAP療法中の動的な呼吸イベントをCPAP吸入流量によって評価し,記録することができるようになった.閉塞型睡眠時無呼吸の病態は,睡眠中の上気道の受動的虚脱である.気道虚脱が起きる前段階には,上気道狭窄が起こり,吸気時の急性フローリミテーションが出現する.進化した自動CPAPは,この上気道の急性フローリミテーションを防止し,CPAPフローと圧を増大させ,上気道を開存させる早期治療介入を目的とする装置である.CPAPのアドヒアランスを評価し,CPAPの諸問題を解決するには,診療者は進化したCPAP装置の基本特性を理解する必要がある.科学的およびエビデンスに基づく,CPAPケアのルール化と標準化が求められている.
閉塞型睡眠時無呼吸 持続陽圧呼吸 フローリミテーション アドヒアランス
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医療法人徳永呼吸睡眠クリニック内科・呼吸器内科
日呼吸誌, 3(6): 764-770, 2014