複数の腫瘍マーカー高値で肺腫瘤影を呈したアレルギー性気管支肺真菌症の1例
竹安真季子a 髙谷 久史a 宇留賀公紀a 藤井 丈士b 黒崎 敦子c 岸 一馬a
a国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器センター内科
b同 病理部
c複十字病院臨床放射線科
症例は36歳,女性.検診で胸部異常影を指摘され胸部CTで右中葉に腫瘤影を認めた.CEA 36.5 μg/Lと高値を示し当院を紹介受診した.血液検査ではCEA,SLX,SCCが上昇していた.CTガイド下肺生検で類上皮細胞肉芽腫と糸状真菌を認めアレルギー性気管支肺真菌症と診断した.プレドニゾロンとイトラコナゾールを投与し,腫瘤影は縮小し各腫瘍マーカーも基準値内となった.複数の腫瘍マーカー高値を示したアレルギー性気管支肺真菌症の報告はこれまでなく,肺癌との鑑別を要したので報告する.
アレルギー性気管支肺真菌症 気管支粘液栓 腫瘍マーカー 癌胎児性抗原
Received 27 Mar 2014 / Accepted 1 Jul 2014
連絡先:竹安 真季子
〒105-8470 東京都港区虎ノ門2-2-2
国家公務員共済組合連合会虎の門病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 3(5): 723-726, 2014