
移動する浸潤影を呈したIgG4関連肺疾患の1例
山末 まりa 串間 尚子a 石井 寛b 横山 敦a 濡木 真一a 門田 淳一a
a大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
b福岡大学病院呼吸器内科
症例は69歳,男性.発熱,低酸素血症,非区域性の移動性浸潤影を認め入院した.抗菌薬に不応であったため外科的肺生検を施行したところ,病理組織では非特異性間質性肺炎の像を呈し,多数のimmunoglobulin(Ig)G4陽性形質細胞の浸潤を認めた.血清IgG,IgG4が高値で,プレドニゾロンの投与で症状や画像所見は改善した.本症例の肺病変は,IgG4関連肺疾患のなかでもまれと考えられたため,報告する.
Received 27 Jan 2014 / Accepted 9 May 2014
連絡先:串間 尚子
〒879-5593 大分県由布市挟間町医大ヶ丘1-1
大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
日呼吸誌, 3(5): 719-722, 2014