N-アセチルシステインとピルフェニドンの併用が有効であった特発性肺線維症の1例
坂本 晋 後町 杏子 佐藤 敬太 杉野 圭史 磯部 和順 本間 栄
東邦大学医学部内科学講座呼吸器内科分野(大森)
症例は73歳,男性.2008年12月から労作時呼吸困難が出現し精査の結果,特発性肺線維症(IPF)と診断.翌年5月よりN-アセチルシステイン(NAC)吸入を開始し努力肺活量(FVC),胸部CTのすりガラス影(GGO)が改善した.2010年9月にFVCの低下,CT上GGOが増悪しピルフェニドン併用を開始した.併用後FVC増加,CT上GGOが改善し,現在まで改善した状態を維持している.NAC奏効後の病勢の進行にピルフェニドン併用が有効であった症例はなく報告する.
特発性肺線維症 N-アセチルシステイン ピルフェニドン 併用療法
Received 13 Mar 2014 / Accepted 2 Jul 2014
連絡先:坂本 晋
〒143-8541 東京都大田区大森西6-11-1
東邦大学医学部内科学講座呼吸器内科分野(大森)
日呼吸誌, 3(5): 713-718, 2014