繰り返す肺炎を合併し外科的治療を要したSwyer-James症候群の1例
廣岡さゆりa 小嶋 圭介a 岡本真一郎a 入來 豊久a 増永 愛子a 大場 康臣b 鈴木 実b 興梠 博次a
a熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
症例は25歳,女性.繰り返す左上葉の肺炎の精査目的で熊本大学医学部附属病院呼吸器内科紹介となった.以前の胸部単純写真では左上中肺野の透過性亢進を認めており,肺換気・血流シンチグラフィーでは左上葉に換気と血流の低下を認めたためSwyer-James症候群と診断した.肺炎に対する抗菌薬治療中にも炎症所見が再燃し内科的治療に抵抗性であったため外科的治療を選択した.術中に得られた膿汁および切除肺の組織培養からは緑膿菌が検出され,Swyer-James症候群による細気管支の狭窄や血流障害により抗菌薬治療に抵抗性であったと推測された.
Received 17 Mar 2014 / Accepted 21 May 2014
連絡先:興梠 博次
〒860-8556 熊本市中央区本荘1-1-1
熊本大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(5): 708-712, 2014