無症状で発見されEWS遺伝子転座が証明されたAskin腫瘍の1例
三輪 秀樹a,b 穴澤 梨江b 鈴木 優毅b 三木 良浩b 冨田 和宏b 中村 秀範b 井上 善也c
a千葉大学医学部附属病院呼吸器内科
b聖隷浜松病院呼吸器内科
c同 骨軟部腫瘍外科
症例は21歳,女性.無症状であったが,検診にて胸部異常陰影を指摘され紹介受診.原発性肺癌を疑い気管支鏡検査を実施したが,診断に至らずCTガイド下針生検を施行した.病理組織では小円形細胞腫瘍を認め,免疫染色でCD99(MIC2遺伝子関連抗原)陽性,EWS遺伝子転座を証明し,Askin腫瘍と診断した.術前に化学療法,放射線照射施行し,その後腫瘍広範切除術を施行した.現在腫瘍の再発なく,経過は良好である.
Askin腫瘍 Ewing肉腫/PNET 胸壁腫瘍 小円形細胞腫瘍
Received 14 Jan 2014 / Accepted 16 May 2014
連絡先:三輪 秀樹
〒260-8677 千葉市中央区亥鼻1-8-1
千葉大学医学部附属病院呼吸器内科
日呼吸誌, 3(5): 690-694, 2014