Editorial 明日の診療に役立つ細胞分子生物学―呼吸器疾患における新しい学問とテクノロジー―
a久留米大学呼吸器病センター
b久留米大学医学部内科学講座呼吸器・神経・膠原病内科部門(第一内科)
cLEI/CIP, NCI-Frederick, NIH
最近は,分子生物学や免疫学だけでなく再生科学や生命情報学(バイオインフォマティクス)といった新しい学問が呼吸器疾患の理解に大きな役割を果たす時代になりつつある.また,新規の分子標的治療薬,次世代シークエンサーやCRISPR/Cas9を用いた遺伝子編集が新しいテクノロジーとして注目されている.そこで,本特集企画では呼吸器疾患の診断,治療や研究に近日中に応用されると考えられる,(1)バイオマーカー(太田昭一郎,他),(2)iPS細胞を用いた再生医療(齋藤 潤),(3)呼吸器疾患動物モデル(鉄本訓史,他),(4)次世代シークエンサー(角南久仁子,他),(5)costimulatory/coinhibitory分子(石井直人),(6)自然免疫(山本千香子,他),(7)CRISPR/Cas9を用いた遺伝子編集(増子大輔,他)に関する総説を当該分野の第一人者の先生方に執筆していただいた.この特集のタイトルは,近い将来の実臨床に役立つことを祈念し「明日の診療に役立つ細胞分子生物学」と命名した.
遺伝子解析 iPS細胞 Costimulatory/coinhibitory分子 自然免疫 CRISPR/Cas9
連絡先:星野 友昭
〒830-0011 福岡県久留米市旭町67
久留米大学呼吸器病センター
日呼吸誌, 3(5): 614-616, 2014