両肺の癌性リンパ管症を初発症状とした進行胃癌の1例
増田 貴史 堀場 昌英 芳賀 孝之 森田 暁壮 諸井 文子 青山 克彦
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
症例は49歳,女性.呼吸困難で近医を受診し,胸部X線検査で左下肺野の浸潤影と両側肺にびまん性網状影を指摘され国立病院機構東埼玉病院へ紹介となった.左肺下葉の浸潤影部位からの経気管支肺生検で気道間質と肺胞腔およびリンパ管内に管状腺癌を認め,上部消化管内視鏡検査で胃体部にBorrmann 4型の病変を認め生検で管状腺癌と診断した.胸部CT所見において,本症例は左肺下葉から同側の横隔膜へ連続性に浸潤影が存在していたため,胃癌が経横隔膜的に肺内へ転移した癌性リンパ管症と考えられた.
Received 10 Feb 2014 / Accepted 24 Mar 2014
連絡先:増田 貴史
〒349-0196 埼玉県蓮田市黒浜4147
独立行政法人国立病院機構東埼玉病院
日呼吸誌, 3(4): 599-602, 2014